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ピエール瀧はどんぐりおじさん

vol.07 2005年は当たり年?!

「WE!」2005.2月号掲載



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今年一発目の出来事。
31日の日中から降りはじめた雪の影響で東京の都市機能は完全にストップ。いつも帰省で使っている東名高速道路も雪のため全面通行止めになってしまいました。
仕方がないので新幹線で実家に帰る事にしたオイラ。元旦の早朝六時に帰省の荷物を手に通りへと繰り出しました。そこで愕然。なんと、通りに車が一台も走っていないのです。
昨日の雪の影響と、正月の朝というダブルパンチで、通りは見事にもぬけのカラ。人っ子一人歩いておらず、軽くゴーストタウンの佇まいさえうかがわせます。
寒空の下途方に暮れること数分。向こうから一台のタクシーがノロノロとやってくるのが見えました。しかもおあつらえ向きに空車の表示。
オイラは白い息を吐きながら手を上げ、開かれた後部ドアから乗り込むと運転手に「たすかりましたわ~」と真っ先に伝えました。当の運転手も「元旦のこの時間から客が拾えるなんてラッキーです」とお互い新年からいい調子。そして車は新横浜の駅へ向かいました。
車窓の右手に横浜国際競技場が見えてきて、新横浜の駅までもうすぐだというあたりで事件がおきました。
川の上の橋にさしかかったとたん、突然車の後輪がツルルッと滑ったのです。「あれ? あれ?」 なんて運転手が言ってハンドルを切っている間にも車のケツはどんどん左右に振られてしまい、終いにはコントロールがきかなくなりました。最終的に運転手が思わず叫んだ断末魔の叫び「だめだ~!」の声と共に車はクルクル~ッと2回転スピンして橋の欄干にドーン!と衝突して止まりました。
当たり方が良かったのか、幸いお互いケガひとつせずに済んだのですが、運転手はパニック状態で訳がわかっておらず、「お客さん、大丈夫ですか? ただいま車をチェックしてまいりたいと存じ上げます!」とおかしな日本語をしゃべったかと思うと、車から降りて車体に異常がないか調べ始めました。
チェックの結果、車の右フロント部分がグシャッと潰れてしまっていたのですが、なんとか自走可能だし、事故の影響でお互いテンションが上がってしまっていたので、初志貫徹、そのまま駅まで行く事になりました。
で、駅に到着。「料金は当然タダだろ」なんてオイラは思っていたのですが、運転手が「5600円のところですが…、5000円でいいです!」とサラッと言いのけました。
しかし、“ここで正月そうそうゴネて一年が台無しになっても…”と思ったオイラは、もう半笑いで5000円払う事にしました。事故代たったの600円! 安っ! 死ぬかと思ったのに!
別れ際に運転手が言った「どうやら今年はお互い当たり年かもしれませんね」のセリフが忘れられません。ホントに今年はそうなるんでしょうか?