vol.03 ベネチアは運河(ウンコ?)の町
「WE!」 2004.10月号掲載
どーも、どんぐりおじさんです。先日ふと思い立ってどんぐり貯金を下ろし、イタリアはベネチアまでどんぐり旅行に行ってきました。
列車で到着したベネチア中央駅から水上バスに乗り換えてまずホテルへ。ベネチアは法律で車がいっさい入る事が出来ないので、目的地の近くまで水上バスで行ったらあとは荷物をガラガラと引いての徒歩になります。
で、目的のホテルにチェックイン。部屋に入りほっとひと息ついていると、どうも様子がおかしい事に気がつきました。
部屋がほんのりとウンコ臭いのです。
洗面所やらトイレやらをチェックしましたが、問題ナシ。もしや?と思って、自分の靴の裏側も確認してみましたが、そこも問題ナシ。
結局ウンコ臭の原因はわからず「おかしいなあ?」と思いながらも「ベネチアは運河の町だがはっきりいって水は超汚い。あれだけの汚水だったらそりゃたまにはウンコ臭い時もあるズラ」と自分勝手に納得して、そんな事は忘れてベネチアの風景やら名物料理やらを全力で楽しむ事にしました。
そして、帰国の日。
来た時と同じように徒歩と水上バスで中央駅まで行ったオイラは、ホームに止まっている列車に乗り込みました。切符を片手に自分の席があるコンパートメントを見つけ、荷物を「よっこらしょ!」と網棚に載せ、やれやれとシートに腰を下ろした瞬間不思議な事にまたプ〜ンとウンコの臭いが漂ってきました。
「ん?な〜んかまたウンコ臭いなぁ?」と思い、ふと自分の手を見た瞬間にオイラは驚愕しました。
「ギャ~~~ッ!クッ糞だ〜〜〜〜!」
なんと!自分の右手のてのひらにウンコがベットリとついていたのです!
一瞬自分の眼前に展開されているビジュアルを理解できなかったのですが、ハッ!と気がついて慌てて網棚の荷物を確かめてみると、なんとトランクの足のコロコロの部分にもウンコがベットリとついてるではありませんか!
そうです。初日のホテルに向かっている途中で、オイラすでにトランクでウンコを轢いていたのです。しかもそれにまったく気づかず、数日をウンコと共に過ごし、ウンコのトランクから出した洋服を着て「きまったぜ!」なんつって自分をマヌケに賞賛したりしていたのです。そして今正にそれらの元凶のウンコが己の手にベットリと!!
「やばい!このままではこの席に来る他のヤツに、ウンコ臭の発信元がこの自分だという事がバレてしまう!」
そう思ったオイラは、慌てて荷物と共にトイレに駆け込んでまず手を洗い、続いてコロコロも念入りに洗浄。
全ての証拠を隠滅してから素知らぬ顔で席に戻ってくるとコンパートメントはすでに他のお客さんでぎっしりでした。
「間一髪セーフ!大逆転だぜオレ!このウンコ臭はオレじゃない!お前らの中の誰かだ!」
なるべく無表情を装いそんな事を心の中で思っていると、列車はゆっくりと滑り出し、ベネチアの町はウンコの思い出と共に静かに遠ざかってゆくのでした…。