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ピエール瀧はどんぐりおじさん

vol.28 ハイビジョンデジタルHDカメラ

「WE!」2006年11月号掲載



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先日ビデオカメラを買い換えました。
今まで使っていたミニDVテープ形式のカメラの音声がどういう訳か片チャンネル出なくなってしまい、その代わりに「むい~ん」という奇っ怪な音が常に録音されるというダダ漏れ状態になってしまったので仕方なく買い換えたのです。
新しいカメラを買うにあたって色々と検討した結果、最新型のハイビジョンHDカメラにする事にしました。このモデルはあらかじめハードディスクが内蔵されているので、テープやDVDディスクを記録媒体として使う機種の場合と違い、残りの撮影時間を気にすることなくどっさりと撮影できるのが利点です。撮影したデーターはそのまま劣化なしでコンピューターに移し変える事もできるので記録されたブツがかさばらないという点でも優れています。
古くは8ミリフィルム、そして近年はVHSやHi-8。現在はミニDV、DVDディスク等とムービーカメラの映像の記録先はめまぐるしく進化してきました。進化に伴い画質の向上や小型化が進みましたが、結局のところ新しい方式が出現するとそれまで撮り溜めてきた大量のフィルム・テープ・ディスク等が取り残されてしまいます。もちろんそれらを最新式の方式にアップデート(つまりダビング)することは出来ますが、膨大な量の場合だととてつもない時間を消費してしまいます。アップデートしないという選択もできますが、その場合は再生するための機材(デッキや映写機等)をいつまでも手元に置いておかなければなりません。
それらの問題点を吟味して、最初からデータとして記録できる機種を選んだのが今回のオイラの選択です。元々がデータなのでこれから先コンピューターが進化したとしても、そのままデータを移行(ハードディスクをコピー)するだけで済むという便利さです。
さて一見パーフェクトだとも思える今回のオイラの選択ですが、それでも穴はあります。それはモノがデータだけに下手すると全部が一瞬で消えるという危険性をはらんでいるという点です。せっかく集めた“イイ顔の親父の隠し撮り”や“運動会での知らないガキの珍プレー”なんかがこちらのちょっとしたミスで(もしくはコンピューターの暴走で)ゼロになってしまう可能性があるのです。これを“デジタルのあっけなさ”と言います。
もうこうなってくると何が安全なのかわからなくなってしまい、気が狂いそうになります。一番の対応策は“いっその事撮らない”ですが、それでは本末転倒ですね。