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ピエール瀧はどんぐりおじさん

vol.40 グアムばらまき事件

「WE!」2007年11月号掲載



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先日、久しぶりにどんぐり貯金をおろして海外まで旅行に行って来ました。行き先はグアム。常夏の島。
旅行代理店の話では空港に迎えが来るはずだったのにフロアにはそれらしき人物が見あたりません。その代わりに「H社(旅行代理店)でキタヒト〜コッチね〜」と現地のおっさんが誘導しています。
オイラの旅行代理店はH社だったので、呼ばれるがままにそちらに行ってみるとH社のカウンターがあり、そこでは客を効率よくホテルに届けるための仕分けをしていました。迎えってそういう事かよ!
カウンターで名を名乗ってから40分後、名前を呼ばれたオイラは捕虜のように列に並ばされて(with荷物)各ホテルをめぐる大型バスに事務的に押し込められました。
空港到着から1時間半も経ってようやくホテルに向かって出発した送迎バスの対応にオイラはかなり腹が立っていました。こんな事なら自分で勝手にタクシーで行けば良かった。そしたら10分で着いたのに!
そんな事を考えながらバスに揺られていると、突然後ろの客から「オイ!ばらまいてるぞ!バス止めろ!」と訳のわからない怒声が聞こえてきました。普通に日本語で叫んだので、現地人のドライバーのおっさんには意味が判らなかったのでしょう。バスは止まらずそのまま走り続けようとしていました。「バカ!止めろ!荷物、荷物!」ともう一度声が聞こえたので、ふと窓の外に目をやると、なぜかバスの横腹のハッチが全開していて、大切な客のトランクやバッグを往来にまき散らしながらバスが走っているのでした。しかも結構なスピードで!ゲラゲラゲラ〜!
慌ててUターンしたバスは、後続のピックアップトラックに乗っていた家族の親切で拾い集められていた数十個の荷物を再度載せてホテルに向かって走り出しました。
そこから各ホテルで降りていった乗客の表情は忘れられません。荷物を見て安堵する者、さっきまでピカピカだったはずのRIMOWAのトランク(今現在はなぜかつや消しに変化)を難しい顔で見つめる者、中には「クマがひっかいたのか?」と思う位の大ダメージを負った荷物もありました。
この話のいいところは、荷物をばらまいてから全ての客を各ホテルに送り届けるまで、現地人の添乗員(女)とドライバーのおっさんが客に対して一切謝らなかった事です。関係ない!って感じで。一点を見つめたまま!
オイラの荷物は無事。ホテルに着いてからしばらくは思い出し笑いに事欠きませんでした。