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ピエール瀧はどんぐりおじさん

vol.63 こうもりのおじさん

「WE!」2009年10月号掲載



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最近夕方時分になるとウチの近所の空をこうもりがパタパタと飛んでいます。
そんなこうもりを日々眺めていてふと実験してみた事。それは音によるコミュニケーション。
こうもりという動物は視力が極端に弱いので、周囲の状況を把握するために超音波を利用しています。自分で超音波を発し、その超音波が障害物に当たって跳ね返って来る様子で、周囲の状況を把握しているという訳です。潜水艦のソナーのような物ですね。
そこに目を付けたオイラ。こうもりがまあまあ近くを飛んでいる時、試しに自分の中で最も超音波に近いであろうという音を発してみました。(口をとがらせて、歯の隙間からチュ〜ッと息を力一杯吸い込むとかなり高い音が出る。ただし、表情がかなり気持ち悪くなる難点あり)
するとどうでしょう。こうもりがその音を聞いた瞬間、明らかに方向転換し、音源(この場合はひょっとこ面のオイラ)の方向に興味を示したのです。
これは面白いと気づいたオイラ。その後、毎日夕方になると表に出てチュ〜ッの音の出し方を試行錯誤しながら研究し、今ではこうもりをなんとなく呼び寄せられる域まで達しました。うまくいくときだと、こうもりが頭上を2〜3周旋回してから飛び去って行くようにまでなっています。すごいでしょ。
しかし、この研究には思わぬ落とし穴があったのです。
オイラが毎夕チュ〜チュ〜やっている様を見つけた近所の子供達が「何やってるの?」という事になり、こうもりを操っている所を見せてやると大評判になってしまい、最近では数人の子供を従えてひょっとこ面でチュ〜チュ〜やらなくてはならなくなったのです。しかもある時子供に「チュ〜ッってやる時の顔が面白い!」と見破られてしまい、昨日なんかは子供達がゲラゲラ笑いながら、音よりも顔重視でチュ〜チュ〜やるものですから、とうとう肝心のこうもりが警戒して近づかなくなってしまいました。なんたる不覚。子供め〜!