vol.64 一人旅のススメ
「WE!」2009年11月号掲載
みなさん旅行は好きですか?オイラは大好きです。
知らない土地に出向き、その土地の文化や慣習に触れて己の見識を深める。これは旅行の大事な目的のひとつです。単純に楽しいですしね。しかし、オイラの場合、知らない土地に行った時に感じる“己のスクランブル状態”がたまらなく好きです。外国に行ったときなんかは特に。
「食料はどこで確保するか?」「財布なくしたり、ドロボウにあった時のために金類はふたつに分けておこう」「この蛇口の水飲んでもいいと思う?いや、そんな訳ないか!」「こいつさっきからフレンドリーで面白いな。でも目が全然笑ってない!よって無視!」等、次々と沸き起こる己内の疑問にリアイルタイムで答えを弾き出し、そしてサバイヴする。この状態になっている自分は旅先でないとお目にかかれません。
もちろん異国の地ですから、日本国で暮らしている時の常識の範疇ではカバーしきれない部分も往々にあり、時にはネガティブな状況に自分が陥ってしまう事もあるでしょう。しかし、そのネガティブな出来事を最小限に減らし、旅を実り豊かな物にする為には、このスクランブル状態を基本的にキープしつづける事が重要です。そして、そのスクランブル状態が最大限に発揮される環境は何かというと、それは『一人旅』です。
一人旅の頼りは己だけ。明日の移動、食事、探索、チャレンジ、その全てを自分で決定&実行するのです。自由という言い方もできますが、同時に全責任も追っているという訳です。オイラの場合、その状況下だと(外国で1人)己の良い部分とダメな部分をはっきりと認識でき、自分というモノを再確認する事ができました。これは非常に興味深い事です。
「オレは知らんヤツの家で今こうしてメシを食っているのだが、それはあの通りで道化てみせたからか」とか「早朝5時にバチカンの広場を独り占めだ。勘に忠実でよかった」と己の才覚に惚れ惚れする場合もあります。しかし、「今日はセスナで移動じゃなかったのかよ!面倒くさがりにも程がある!」とか「日本語につられて6万もボラれてしまった。初歩的なうっかりミス!キーッ!」といった、心の弱さが招くネガティブな落とし穴にすっぽりと落ち込む場合もあります。
そんな出来事を己で己と相談しながらひとつひとつ刻んでいくと、やがて自分という姿が浮き彫りになってきます。そして『自分はこうあるべきだ』という答えが自然と導き出されます。興味深いですね。そしてそれができるのは『自分vs全て』になれる一人旅だけなのです。
過去にオイラが一人旅で導き出した答えは「やっぱり面白い方が良いのだ!」というシンプルでアホな答えでした。外国にいかないとそんな事もわからないなんて完全に未熟者だったという訳です。
どうです、一人旅したくなったでしょ?では行っちゃいましょう!