vol.67 巨大を想ふ
「WE!」2010年2月号掲載
先日、仕事で『首都圏外郭放水路』という珍妙な場所に行ってきました。
この首都圏外郭放水路、TVなどで度々紹介されているのでご存知の方も多いかと思います。
この施設は首都圏の河川の洪水を防ぐために国が作った巨大地下施設で、「地下50Mにトンネルを掘って余計な水を江戸川の下流に流しちまおうぜ!」というとんでもない規模のメガ建造物です。中でも河川から溢れ出た水を溜めておく為の“マンモス水槽”は、水槽というよりも、コンクリートで出来た柱が乱立する巨大神殿の様相を呈していて度肝を抜かれます。
で、オイラはそのマンモス水槽でドラマの撮影の仕事だった訳です。ちょっと個人レベルでは処理しきれない程の空間の膨大さにクラクラしたり、腹の底から大声(ちなみに単語は「SEX」を採用!)を出して、いつまでも残る残響音を心行くまで楽しんだりしてきました。
オイラこういった“巨大モノ”が大好物です。中でも特に好きなのが人工モノ。「人がこれ作ってんの?」と思うと畏怖の念を覚えさせてくれたり、「バカだな〜」とちょっと笑えたりしてなかなか不思議な気分にさせてくれる事が多々あります。
とはいえ、普段の生活をしていてもなかなか巨大人工物にはお目にかかるチャンスなどほぼありません。しかしデカいモノは見てみたい!そんなアナタにオイラがオススメするのが港です。
港(工業&商業用)に行くと、尋常じゃない程の大きさの貨物船やらフェリーやらの巨大船舶がゴロゴロと停泊していて一発で持っていかれます。しかも飛行機と違ってすぐ近くまで行って見る(触る)事が出来るので、その暴力的な巨大さを至近距離で楽しむ事もできます。
港には他にも巨大クレーンなんかもあって見所豊富です。コンテナを船に積み降ろしする為のオレンジのアレです。あのクレーンも近くで見るとそうとうヤバい出来です。土台の部分の移動用レールなんかはほぼ列車の車軸とスケール感一緒です。正に鉄の塊。ウェポン。稼働時にお目にかかれたりすると、巨大ロボットが静かにこちらに歩いてくるような錯覚を覚えて恐楽しめます。
そしてオイラのオススメは“スクリュー”
港のドックに行くと、修理中の船舶が固定され水を抜かれた状態にしてある事があります。そんな船の後方に回り込んでみると、普段は水に浸かっている部分のスクリューの全景を見る事ができるのです。通常は隠れている部分を“見る”
という事で、その禁断さにすでにゾクゾクするのですが、このスクリュー、デカい船にはよりデカいスクリューが取り付けられており、そのシンプルさが笑えます。小さい物から大きな物まで理屈が一緒って事は相当アホっぽくないですか?しかしその大きさは時に想像を凌駕する事もあり、大きいものだとスクリューの羽根1枚の大きさが乗用車くらいある事もあります。で、オイラとかはそんな光景を見ながら(主に夜中)、「デカッ!!具合悪くなるわ!」なんつって喜んでいるという訳です。
前述のマンモス水槽に腰掛けながら、待ち時間にそんな事を想い返していたオイラ。その時の格好は裸にパンツ一枚。気温2度。
巨大建造物を楽しむ条件としては最高レベルでしたね。