vol.80 ラブホテル雑記
「WE!」2011年2月号掲載
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ラブホテルに行くと、室内にノートが置いてあるって事ないですか?
『思い出帳』とかタイトルが付けてあって、「今日は二人だけの記念日。これから翔クンの事いっぱい守るね♡」とか「お風呂広くてサイコー!ヒロくんと入っちゃった」といった風に、カップルがその部屋で過ごした感想とか思い出を綴ってあるヤツ。
オイラあれの意味がよく解りません。正確に言うと、あれを書き始める女子(おそらくバスタオル姿)のメンタリティーが理解できません。
まあ確かに、好きな彼氏と一緒なわけですからテンションが上がっているのは解ります。しかし、だからと言ってその高まる気持ちをわざわざノートに書き記すってのがどうも解せません。さらに、そのページを破って記念に持って帰るっていうのならまだしも、置いてくってどういうコトなのでしょう?!
ここでオイラに興味深い仮説が浮かび上がってきました。
『女は“思い出”を見えるモノにしないと満足しない』です。
女性は、ラブホテルでの素敵な思い出を【ノートに書き記す】という行為で、有形化(この場合は文章化)してから己のメモリーに取り込んでいるという訳です。この思い出帳の場合は、最後に思いの丈を綴った文章を眺めるという行為がとても重要なのです。
例えば、女性はプレゼントが大好きです。これなんかは愛情が目に見える形になって現れた具体的な例です。花なんかは特にそうで、すぐに無くなってしまう物なのに必ずといって良い程喜んでもらえます。他にも女性の場合、プリクラや日記など、思い出をビジュアル化(有形化)して記録する事例が多い様な気がします。記念日にこだわるトコなんかも、その日の感動を数字の羅列(例:2月18日はふたりが初めて出会った日)という“見える”形にして記録しておきたいのでしょう。
これに対して、『男は“思い出”を脳内メモリーに溜め込んでしまう』という説も考えられます。
男の場合は形よりもとにかく思い出重視。どんどんメモリーに溜め込んで行く傾向があります。長く溜め込んでいると、脳内で思いが勝手に美化されてしまい、センチメンタルな気分になってしまう事もよくあります。また時には、ぎゅうぎゅうに詰まった思いがあふれんばかりに増幅されてしまい、結果、ストーカー行為におよんでしまったりする場合もあるでしょう。
男女の恋愛の場合など、女性の方が意外とあっさりしているのは、このように思い出を一旦アウトプットしてから記録しているからではないでしょうか?元カレとの恋愛がこじれても、女子の場合は脳内のメモリーが元カレで占拠されている訳ではないので、簡単に次に進めるのです。
対して男の場合は、脳内が元カノ一色なのに、手元から元カノがいなくなってしまうのですからパニックになって当然という訳です。メモリー消去にはそれ相応の時間がかかるでしょう。
さてここで最初のラブホテルの『思い出帳』に戻ってみましょう。バスローブ姿で思い出帳に女子がペンを走らせている間、男共は何をしているかというと、風呂とかにさっぱりした面構えで浸かりながら「うわ〜ヨカッた〜♡ぐひひ」とか、天井を見つめながら「あとで思い出して一本ヌこう」などとやっており、脳内メモリーに深く記録するという愚かな行為をしているのです。残念ながら。