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ピエール瀧はどんぐりおじさん

vol.89 オレと巨像と女の子

「WE!」2011年11月号掲載



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最近は立て込んでいたいろんな仕事(ワレワレ詐欺、国際テロ、行列に並ぶだけの簡単な仕事等)が一段落して、久しぶりに家でゲーム三昧の日々を送っています。
今ハマってやりこんでいるのがPS3でHDリマスターされて再販された『ICO』と『ワンダと巨像』。ICOは2001年に、ワンダと巨像は2005年にPS2でオリジナル版が発売されました。
共に作ったのはSCEの上田文人氏。代表作というか、実際に作ったゲームはこの2本しかありませんが、世界的にとても高い評価を受けています。特にワンダと巨像は北米で100万本ものセールスを記録しています。これはゲームクリエイターとしては天才の部類に属します。
ワンダと巨像は当時オイラもプレイしましたが、夢中になってやめられなかった記憶があります。独特の荒涼とした世界をワンダと愛馬アグロが駆け抜け、神話の世界に登場する様な謎の巨像を剣のみで倒す。世界観の細かな説明など一切無く、とにかくコンバトラーVくらいある巨像によじ上って弱点を剣でブッ刺すのです。(ちなみにコンバトラーVは身長57M)
もう一方のICOは巨大な城に幽閉された男の子が謎の少女の手を引いて城から脱出する謎解きゲームです。オイラ今回の再販で始めてやりましたが、アクションの具合がちょうど良く、すでに2周クリアーしているという中学生の様なハマりっぷりです。
このふたつのゲームに共通している事は、巨大と遺跡。そしてなんともいえない荒涼感とファンタジー。
最近はソーシャルゲームが大流行りで携帯やらスマホなんかでゲームをするような若者が増えてきましたが、このふたつのゲームのようなだだっ広さや重厚感は小さな画面ではなかなか味わえないシロモノだと思います。共に古いゲームと言えばそれまでですが、今プレイしてみてもレトロな感じは一切無く、画面というかゲームの世界の中に入り込めるような感覚は特筆に値します。
このゲームの世界にプレイヤーを引き込むという術は実はなかなか高い壁で、最新のゲームであっても世界観が複雑すぎてしまい、序盤でお腹いっぱい&キャパオーバーで先に進む気が失せるといった残念なゲームは数多く存在します。それなのに、この2本の場合、序盤のムービーの段階からプレイヤーをモニターの向こうに連れ去ってしまえるという事は、この上田氏の感性と脳内が非凡な証拠でしょう。
この上田氏が今現在製作中の最新作が『大鷲のトリコ』。トレイラームービーを見る限り、またしても遺跡っぽい世界観が出来上がっていました。激楽しみです。
日本が誇る世界に通用するゲームクリエイターの傑作2本。まだプレイした事無い人には是非オススメです。